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離婚した夫の8割が子供に対して養育費を支払っていないという調査結果があり、母子家庭の約半数が生活に困っている、と回答しています。
養育費の支払いについては離婚後の請求も可能ですが、安定した生活のため離婚時の取り決めが大事です。
納得のいく金額の慰謝料や養育費をもらうにはどのような方法があるでしょうか。

 

子供の養育費いったいいくらになる?

養育費の計算は、一般的に家庭裁判所が資料として用いている「養育費算定表」の資料をもとに計算されます。それには以下の区分があります。

・義務者(養育費の支払い義務をもつ者・通常父)の年収
・権利者(養育費の受け取り義務をもつ者・通常母)の年収
・給与所得者・自営業者の区分
・子どもの人数
・子どもの年齢(①0歳から14歳 ②15歳から19歳)

国税庁が公表した「平成27年分民間給与実態統計調査結果」の平均給与額をもとに、子どもが2人いると仮定し、養育費をシミュレーションしてみましょう。

夫:給与所得額521万
妻:給与所得額276万
子ども:2人(中学生と小学生の子どもが1人ずつ)

以上の条件で算出すると、夫から親権者である妻への月々の養育費は、子ども一人あたり4万~6万円になります。

浮気が原因で離婚。慰謝料としての養育費、請求までのポイント
配偶者の浮気や不倫が原因で離婚をする場合、不法行為ですので財産分与や慰謝料を請求することができます。離婚を決意し、慰謝料と養育費を請求するにはどのような手順をとればよいのでしょうか。

 

1. 夫婦間で話し合い・離婚協議書の作成
同居している場合、まずは直接「離婚をし、慰謝料、養育費を請求したい」旨と具体的な金額を伝えましょう。話し合いが成立した場合、「離婚協議書」などの合意文書を作成し書面に残します。
すでに別居している場合、証拠が残るようメールなどで離婚の意思と慰謝料、養育費の金額を伝えます。返信がない場合は内容証明郵便にて書面を送付します。

 

2. 協議できない場合は調停申立て
養育費について話し合いでまとまらない場合、家庭裁判所に「養育費請求調停」を申し立てます。

 

3. 離婚訴訟
協議離婚や離婚調停でも離婚が成立しなかった場合、離婚そのものや慰謝料も含めて解決したい場合、離婚訴訟を起こし判決により離婚を認めてもらう方法があります。
離婚裁判中にも調停により和解が成立することもあります。

養育費の相場と養育費がもらえない離婚のケースは?
一般的な養育費の相場は、子ども1人の場合月2~6万円、2人の場合4万~10万円の範囲で決められる例が多いようですが、一概には言えません。

養育費とは、子どもが自立するまでに必要なすべての費用で、衣食住の経費のほか教育費、医療費、最小限度の娯楽費なども含まれます。親権に関係なく、子どもと一緒に生活しない親も扶養責任があります。よって妻の浮気が原因で離婚した場合でも、夫は子どもに対して養育費を払わなくてはいけません。

しかし親の資力などにより養育費がもらえない離婚のケースもあります。どのような場合があるでしょうか。

 

相手が無収入

養育費は、「離れた親が子どもに対し離婚前と同程度の生活をさせる」ためのものですが、夫が無職または生活保護受給者の場合や、年老いた実親などほかに同居の扶養義務者がいる場合、子どもへ支払う養育費はない、判断されます。

 

養育費の取り決めをしていない/口約束

「とにかく早く離婚したかった為、養育費についてなんの取り決めもしなかった」けれど、離婚後は思った以上に生活が苦しい、ということは多いようです。口約束だけの養育費の取り決めも、なんの効力もありません。

そのような場合、「養育費請求調停」を申し立てることはできますが、離婚時にきちんと取り決めをしたい方が支払いもスムーズでしょう。

 

妻の収入が圧倒的に多い

親権をもつ親側の低収入を補う、という考えが養育費の基本ですので、親権をもつ妻が十分な収入があり夫よりも収入が多い場合、夫の支払い義務はない、とされます。

自己破産をして離婚。慰謝料そして養育費をもらうために必要なこと。
自己破産をする夫に対し、離婚時に養育費の支払いを請求することは難しいかもしれません。
しかし自己破産をしても無一文になるわけではなく、生活していくために困らない財産は残り、新しい仕事に就けば収入も得ることになるでしょう。

 

養育費として財産分与と慰謝料を請求

相手が浮気などの不貞行為、DVによる離婚については、財産分与と慰謝料を請求することができます。養育費は通常月額払いですが、夫側に処分できる資産があれば、慰謝料として養育費のまとめ払いを要求してもよいでしょう。

 

養育費の減額

離婚後に自己破産したとしても、養育費の支払い義務は消えません。夫にすぐに収入の見込みがない場合、月々の支払額を減額したとしても、きちんと主張し受け取りましょう。

 

強制執行の法的措置

相手が支払いに応じなければ、弁護士に相談し、強制執行により相手の財産や給与を差し押さえる方法があります。

 

養育費調停を極めて有利に進めるための発想

1. 浮気やDVによる離婚の場合、証拠を集める
配偶者が浮気やDVをしている場合、調停での話し合いを優位に進め高額の慰謝料や養育費を獲得するには、その確実な証拠を集めておくことが大事です。
浮気や不倫は密室で行われることから直接的な写真などを撮ることは困難ですが、メールなどで明らかに肉体的な関係系が推測できる文面であれば証拠として有効です。
DVの場合は暴力を受けた日時や内容の記録、ケガをした場合の病院の診断書などがあります。

2. 相手の財産、年収を把握しておく
話し合いや調停を進める前に、夫の財産や銀行口座、年収を詳しく把握しておきましょう。話し合いや調停が始まると夫は自分の財産を隠そうとするかもしれません。できるだけ高額の養育費をもらうために、しっかり調べておきましょう。

3. 養育費の詳しい算定根拠を示す
子供を養育するための生活費や大学までの学費、塾の費用など、できるだけ詳しい養育費の算定根拠を作成しましょう。ただしあまりにも高額な養育費は認められないので、調停員が納得するよう、わかりやすく現実的な内容にします。

離婚後は「一人で頑張るから」「子ども合わせたくないから」と慰謝料や養育費の取り決めをせずに勢いで離婚を成立させても、子供にかかる教育費や生活費は予想以上にとかかります。
養育費は子どものためのものです。離婚後の安定した生活と子どもの将来について冷静にしっかりと考えましょう。

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