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私は奨学金をもらって高校・大学と行った身ですから、社会に出た時にはすでに500万円以上の借金を背負っていました。
特に大学ではわずかな金利と言いながらも有利子も併用したので20年間の負債は重くのしかかっていました。
生まれたころは裕福だったそうですが、父が事業に失敗したため二間のアパートに親子4人で暮らし育ちましたが、
やがて両親の夫婦仲が悪くなり母は家を出て、中学からは父と子ども2人で過ごしたのです。

そんなこともあったので私は切り詰めて生活することに苦は無く、逆に浪費をすることに恐怖を感じる方が強かったと思います。
結婚してからの生活は質素を絵にかいたようなものでしたが、贅沢を避けたおかげで奨学金も繰り上げ返済ができるようになり、それなりに貯蓄もできました。
妻にも苦労をかけたとの思いから、貯蓄の一部をおろして家族旅行に出かけようと思ったのです。
貯蓄を切り崩すことは断腸の思いでしたが、大奮発して沖縄旅行を計画しサプライズプレゼントを妻に贈るつもりでした。

ところが貯蓄していたはずの定期預金がありません!
調べた結果、妻が解約していたのです。もはや旅行どころではありません。
一部を使うつもりだったのに全部が無くなっていたのですから……。
妻に問いただすと「使ってしまった」ということです。
使い道は一切言わずしかも謝罪もせず、逆に私の奨学金返済と同等の額を使ったと言うのです。
「あなたの独身時代の借金を夫婦になってから返したのだから、私にも同じだけお金を使う権利がある」と言うわけです。

話しは平行線となり結果として離婚を切り出しました。
ところが妻は別れないし自分は悪くないと言うのです。
まさか父や兄弟に相談するわけにもいかず、弁護士事務所を訪ねました。
弁護士に相談すると離婚条件になる「浪費」になるかは微妙で、
しかも今後も使うとも認められないので話し合いでは難しいかもしれないということでした。
ただし、私名義の預金を許可なく解約したのですから、狭義で考えれば一定の責任はあるということです。
弁護士を代理人として双方で話し合いの結果、夫婦関係の修復は不可能ということで協議離婚は成立しましたが、
いまも私のなかでは権利の呪縛からは逃れられず、
子どものころの「貧乏」と同じくらい「信頼」への恐怖が残ってしまい、他人を信じられない人間になってしまいました。

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