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最愛の子供のために。離婚をして子供に悪影響をあたえる事は何?
夫婦が離婚してどちらか片方が家を出て行く、もしくは自分たちが家を出て行かざるを得なくなることは、子どもにとって良くも悪くも多くの影響を与えます。
子どもにとっては、「自分はこれから先どうなるのだろう」と不安になったり、ひとり親家庭となったことで世間からの目が気になったりすることもあります。離婚が子どもに与える影響は、どのようなものがあるのでしょうか。
あの日が影響?子供の人生を良い方向へ変えるためにやるべきこと
離婚後は少なからず環境が変わるため、子どもが情緒不安定になって心身に症状が現れることも少なくありません。小さい子どもであれば、おねしょをするようになるなどの退行現象が見られることもあります。このような場合、親権者となった親がやるべきことは何でしょうか。
まず、父親(または母親)が子どもと離れて暮らすことになっても親子関係は変わらないことを子どもに説明しましょう。両親が離婚した子どもの中には、「自分は父親(母親」に捨てられた」と思い込む子どももいます。余計な不安を抱かせないためにも、「お父さんもお母さんも、ずっとあなたの親だよ」と日頃から伝えるようにしましょう。
次に、配偶者の悪口を言わないことも大切です。いくら夫婦関係が悪くて離婚をしたとは言え、子どもにとってはかけがえのない両親です。父親(母親)の悪口を言うことは子どもの心にとって大変なストレスとなるので、くれぐれも悪口を言うのは控えるようにしましょう。
離婚を経験した子どもと経験しない子どもの違うところ
米国価値研究所Institute for American Valuesによると、離婚を経験した子どもとそうでない子どもとでは以下のような違いがあります。
・未婚の母になる率が3倍
・社会人になったときに、失業率や経済的な困窮が増加
・青年期までに実刑を受けている確率が2倍
(出典:離婚コンシェルジュ.com「離婚が子供に与える影響」
< http://www.ri-con.com/influence/index.html>を参照)
そのほか、親が離婚した子どもには、親が離婚していない子どもに比べて以下のような傾向が見られます。
・依存性や承認欲求が強い
・精神病になる可能性が高い
・放棄される恐怖がある
・自己否定感が強くなる
子供のために離婚を決意。今すぐやるべき手順と、子供の未来設計図
「これ以上結婚生活を続けていては、子どもにとってよくない」「子どものためにも、今すぐ離婚しなければ」そう考えたときに真っ先に考えるべきことは、子どもの将来への影響をいかに減らすかです。そのために何ができるかを考えてみましょう。
まず、なぜ両親が離婚をするのか、離婚したら生活がどう変わるのかを子どもにきちんと説明します。このとき、絶対に嘘をつかないことが大切です。子どもの年齢に応じて、子どもがきちんとわかるように話をしましょう。
次に、できる限り住環境を変えないこともポイントです。子どもが学齢期の場合、転居先によっては転校する必要がでてくることもあります。極力転校の必要のないところに引っ越す、もしくは転校せざるを得ない場合でも年度の切り替わりなどの時期を考慮して転居を検討したほうがよいでしょう。
何よりも大事なのは、子どもの気持ちにしっかり耳を傾けて、配慮することです。子どもの胸の内には、片方の親がいなくなることの喪失感・孤独感・寂しさなど、様々な感情が渦巻いています。そのような感情から湧き出てくる子どもの言葉を、親権者となった親はしっかり受け止めることが必要です。
悪影響より好影響。明るい離婚のためのステップバイステップ
離婚が子どもにもたらすのは悪い影響だけではありません。たとえば仮面夫婦を演じていたり、口論やDVが絶えなかった夫婦であれば、別れるほうが子どもにとって良い結果となることもあります。また、親が離婚することで精神的に自立したり、人の心の痛みがわかるようになったりする効果も得られることがわかっています。離婚後も親子共々明るい気持ちで暮らしていくためにはどうすればよいでしょうか。
まず、離婚したことを必要以上にひきずらず、明るく振る舞うことが大切です。別れた直後は生活の急な変化から気持ちが沈みがちになりますが、その姿を子どもに見せると、子どもは「自分がお母さん(お父さん)を守らなければ」と考えてしまいます。そうすると、子どもが子どもらしくいられなくなり、周囲とのコミュニケーションもうまくいかなくなります。できるだけ早い段階で心の整理をするようにしましょう。
また、離れて暮らすことになった親とも積極的に面会交流を図ることも重要です。親権者ではない親とも定期的に会うことで、子どもは「離れて暮らしていても変わらず自分のことを愛してくれているのだ」と実感できて、子どもの情緒も安定するようになります。また、何度も面会交流を重ねることで、良好な母子関係・父子関係を維持することもできます。子どもが「親権者ではない親と会いたい」と言うときは、よほどの危険がない限り気持ちよく送り出してあげましょう。
子どもはどんなに小さくても、両親が離婚するときには何かを感じ取っているものです。子どもの情緒への影響をできる限り少なくするためにも、親権者であるか否かを問わず子どもの気持ちに寄り添い続けることが大切なのではないでしょうか。
<参考URL>
厳選離婚弁護士ナビ「離婚が子供に与える15の影響と悪影響をケアするための方法」
< https://ricon-pro.com/columns/123/>
離婚コンシェルジュ.com「離婚が子供に与える影響」
< http://www.ri-con.com/influence/index.html>
公益社団法人 家庭問題情報センター「離婚した親と子どもの声を聴く」
< http://www1.odn.ne.jp/fpic/enquete/report.html>