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夫の度重なるDVに苦しみ、「今すぐ離婚して子どもと一緒に平穏に暮らしたい」と思っても、金銭面で離婚後の生活を不安に感じることもあるでしょう。

DV(ドメスティックバイオレンス=家庭内暴力)は正当な離婚原因であり、離婚が認められれば相手に対して慰謝料や財産分与、養育費を請求することが可能です。
子どもの親権を獲得して、経済的・精神的に安心して生活するために慰謝料をしっかり支払ってもらうにはどのような手続きをとればよいのでしょうか。

 

威張る夫のエスカレートするDV

 

DVの加害者は強い劣等感を持っていることが多く、家庭内では配偶者よりも優位に立ちたいがために配偶者に対して威張る傾向にあります。
DVには特有の心理サイクルがあると言われており、それが繰り返されるとどんどんエスカレートします。DVの心理サイクルとはどのようなものでしょうか。

 

DVの心理サイクル

第一期:緊張の蓄積期
ストレスを徐々に蓄積していく時期です。DVの加害者は急に暴力をふるうわけではありません。様々なストレスがたまってくると、家庭内ではピリピリと神経質になり、ささいなことで怒るようになり、配偶者や子どもにもその緊張が伝わります。

 

第二期:暴力の爆発期
ストレスが極限まで達するとそのエネルギーが抑えられず、DV夫は突然妻に対し暴力を振るい出します。ストレスが全て発散されるまで、妻が泣いて謝っても終わらないのが普通です。
DVの加害者は、会社の上司や近隣住民など家族以外の人には決して手を出しません。一度でも他人に暴力を振るうと警察沙汰になり社会的な立場が危なくなる、ということを理解しているからです。

 

第三期:ハネムーン期
DV夫は暴力を振るうことによってストレスが発散されて精神状態が安定してくると、一転して自分の行動を反省し、被害者である妻に対し優しい態度で接するようになります。妻も愛情を示されると恐怖から一転、夫が心を入れ替えたものと安心して平穏な生活に戻ります。

しかし、しばらくすると第一期の緊張の蓄積期に戻ります。このサイクルが繰り替えされると加害者から被害者に対する暴力はさらにエスカレートしていくのです。

 

実はかなり多い!?表に出ない離婚の慰謝料の原因。DVが理由のケースはこんなにあります

 

これまでの離婚原因の多くは性格の不一致や、夫や妻の不倫が上位を占めていましたが、最近はDVやセックスレスなども正当な離婚の理由として認められるようになりました。
DVの内容は身体的な暴力だけではありません。精神的、経済的、性的、社会的暴力も含まれます。以下は一例ですが、離婚にいたるDVの理由は様々なものがあります。

身体的暴力
・気が短くてカッとなり暴力を振るう
・お酒を飲むと気が大きくなり、性格が荒くなり暴力を振るう

精神的暴力
・常に命令口調。罵詈雑言、延々と説教する
・交友関係を細かくチェックする、外出を制限する
・大切なものを壊す、捨てる

経済的暴力
・生活費を渡さない
・家計を厳しく管理する
・お金を使い込む

性的暴力
・セックスを強要したり、性癖を押し付ける
・妊娠しないことを一方的に非難する
・性的なビデオ観るよう強要する

社会的暴力
・行動を監視し制限する
・人間関係を監視し制限する

 

DVによる離婚の慰謝料申請は簡単。有利にすすめる効果的手順のポイント

 

有効な証拠を準備する
DV夫から慰謝料を獲得し、離婚を有利に進めるには、DVの事実を証明するための有力な証拠が必要です。
暴力や精神的苦痛を受けた日時や場所、具体的な内容を記録し、ケガをして病院に行ったときの医師の診断書などを保管しておきましょう。被害にあった時の様子の写真やビデオも、後に離婚裁判をする場合に重要な証拠となります。

 

警察や女性センターに相談をする
警察や最寄りの女性センターに相談したときはその内容が記録として残されているので、個人情報開示手続きをすることでその記録を取り寄せることが可能です。また、後に保護命令を出すときもこうした記録は役立ちます。
※保護命令とは、2001年に施行されたDV防止法によって設けられたもので、身体に重大な危害を受ける恐れがある場合に裁判所が出す命令のことを言います。

 

夫の財産総額を把握する
離婚調停を進める前に、夫の銀行口座や預金残高を把握しておきましょう。
調停が始まってしまうと、夫は自分の財産を正直に申告しないことがあります。夫が財産を隠そうとした場合、具体的な口座番号を把握していれば相手に事実を突きつけることも可能です。

 

要求することを決めておく
離婚時には相手との話し合いにより決めなければいけないことが多々あります。
こちらの要求が100%通るわけではありませんが、明確な要求を決めておけばその基準から交渉のスタートとなるので、先に条件を提示した方が有利になります。
具体的な要求事項は、財産分与、慰謝料の金額、子どもがいる場合は親権や養育費、面接交渉権などです。

 

DV離婚の慰謝料申請とスピード申請のメリット。法外な慰謝料でもこのステップで

 

慰謝料の相場は?
慰謝料の金額は100円~300万円が相場と言われています。また夫の年収や婚姻期間、養育する子どもの人数によっても変わってきます。
またDVを長期間にわたり何度も受けた場合や、ケガや後遺症が重い、うつ病になったなどの場合は、高額の慰謝料を請求できる可能性があります。
また夫が無職でも、将来的に発生する支払い能力に対して慰謝料を請求することが可能です。相手側の親兄弟に肩代わりすることも考えられるでしょう。

 

慰謝料申請のステップは?
1. 話し合いによる協議離婚
まずは協議離婚に向けた話し合いがあります。DVによる離婚を決意した場合、たいてい夫と別居していることが多いので、まずはメール等で慰謝料等の具体的な内容を伝えます。
相手が返信しない場合、「内容証明郵便」を送付します。

2. 離婚調停の申し立て
相手の住所地の家庭裁判所に「夫婦関係調整申立書」を提出し、離婚調停を申し立てます。調停が成立すれば、離婚と慰謝料の問題を同時に解決することができます。

3. 離婚裁判
話し合いや調停でまとまらない場合、離婚訴訟を起こし、判決により解決してもらうことになります。裁判で「婚姻を継続しがたい重大な事由がある」という離婚原因が問題となりますので、DVをいかに立証するかが重要になります。

 

弁護士を利用する
離婚調停や裁判の場では、自分の主張をどれだけ調停委員や裁判官にわかってもらえるかが重要ですので、弁護士が同席した方が有利に進めることができます。書類を作成するために法律的な知識が必要なことも出てくるので、費用さえ捻出できれば弁護士に相談した方がスムーズでしょう。

昔は「家庭内のことは周りが口出しすることではない」との風潮がありましたが、現在ではDVという言葉が浸透し、「夫婦間でも暴力は暴力」という考えが一般的になりました。

DVの被害者は自分を責める傾向にあり、DVを受ける期間が長くなるほど正常な判断能力が奪われていきます。また、離婚後も身体的、精神的に大きなダメージが残るでしょう。
一人で悩むのではなく、弁護士や行政などの専門機関へできるだけ早く相談することをおすすめします。

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