現代は女性の社会進出が進み、自活していけるだけの収入を得られる女性が増えています。それに伴って、離婚しそれぞれの道を歩む夫婦も急速に増加しており、今や夫婦３組に1組が離婚する時代となりました。

 

誰にも聞けない離婚にともなう慰謝料相場の世界をお話しします。

 

しかし、離婚をした事実は大っぴらにすることができても、慰謝料をいくらもらった・払ったという話までは公にできないのが現実です。よほど日頃から親しくしている人でも、なかなかそこまで込み入った話を聞けることは少ないのではないでしょうか。

離婚するカップルが増えている昨今、離婚の際に慰謝料がどれくらいもらえるものなのか、またどれくらい支払うべきものなのかは、多くの人が気になっていることのひとつです。そこで、今回はこれまで離婚した夫婦がどれくらいの慰謝料で決着をつけてきたのかについて、リアルな現実を探っていきましょう。

表には出てこない。人には言えない離婚の慰謝料。その相場はまるでブラックボックス。

離婚の慰謝料は基本的に当事者同士が自由に決められるものです。大物芸能人カップルなどであれば、慰謝料が億単位になることも珍しくありません。このように、相手に支払い能力があれば1億円の慰謝料を請求することもできます。

裁判ではおおよその慰謝料の相場は決まっているものの、離婚原因となった行為の悪質さ、婚姻期間の長さ、収入、年齢、子供の人数など様々な要因で慰謝料の値段は大きく異なります。裁判で得られる慰謝料の相場は100万円〜300万円くらいがおおよその目安ですが、少なければ50万円ほど、多ければ500万円を超えるケースもあります。（※1）まさに、慰謝料の相場は事例によりケースバイケースで、ブラックボックスとも言うべきものではないでしょうか。

たとえば配偶者が浮気や不倫をした場合、慰謝料が高額になるケースは次の通りです。

・長期にわたり不貞行為が続いている
・不倫が原因で別居や離婚に至った
・不倫相手と同棲している
・不倫相手の女性を妊娠させた
・不倫相手・浮気相手の存在を知ってうつ病など心の病にかかった

 

離婚の慰謝料相場、申請ステップはこの手順で。

 

離婚原因別の慰謝料の相場は以下のとおりです。(※2)

・不倫・浮気が原因の場合：100万円〜500万円
・DV・モラハラが原因の場合：50万円〜300万円
・悪意の遺棄の場合：50万円〜300万円
・セックスレスの場合：100万円〜300万円

この相場を踏まえて、配偶者に慰謝料を請求します。まずは当事者同士で話し合いを試みましょう。別居している場合は、メールやLINEなどで慰謝料を請求したい意思を伝えます。この時点で話がつき、相手が支払いに応じる意思表示をしてきたら示談書を作成します。あとから言った言わないのトラブルが生じないよう、示談書には約束したことを具体的に書いておくことが重要です。

もし、当事者だけで話がつかない場合は調停に持ち込むこともできますが、調停でも協議が整わなければ弁護士を立てて裁判となります。離婚裁判をするためには、民法で規定されている離婚原因が必要です。裁判の流れとしては、訴状を作成して相手方に送付し、裁判所での口頭弁論を経て判決が下されます。

今から行うべき離婚にともなう慰謝料をとるために準備しておくべき内容

離婚調停や裁判の際に必要となるのが、相手の違法性を主張するための証拠です。当事者同士の協議や調停よりも、裁判では証拠の重要性が格段に増すため、裁判となるまでに有力な証拠を揃えておくことが非常に重要となります。

具体的には、以下のような証拠が有力とされています。

・配偶者が浮気・不倫相手とラブホテルに出入りしている写真（複数日に渡り撮影したもの）
・メールやLINEで肉体関係を持っていることが明らかなやりとり
・配偶者や不倫相手が不倫の事実を記した書面
・医師の診断書
・生活費が支払われていないことを証明する預金通帳

以上のような確固たる証拠を日頃から蓄積しておけば、いざ裁判になったときにより高額な慰謝料がとれる可能性が高くなります。早く離婚したいからと言って焦らずに、まずは配偶者の目をかいくぐりながら証拠を集めることから始めてみてはいかがでしょうか。

配偶者の浮気・不倫現場を直接目の当たりにするのがつらければ、浮気・不倫の調査を専門に行っている探偵などを利用することもおすすめです。最近では離婚問題に強い弁護士と提携している探偵事務所も多いので、弁護士と提携している探偵に依頼すれば、その後の離婚に関する手続きもスムーズにいくでしょう。

証拠をおさえておけば、話し合いの段階で相手が自分のしたことを否定しても言い逃れができなくなり、話し合いを有利に進めることができます。離婚では、財産分与や子どもの養育費も相手に請求できます。相手からより多くの財産を得るためには、有力な証拠を提示して相手の非を明らかにすることが最も良い方法ではないでしょうか。

※1:弁護士法人アディーレ法律事務所「慰謝料（浮気など）～離婚の際に慰謝料はどのくらいもらえるの？～」<http://www.adire-rikon.jp/money/isharyou.html>を参照。

※2：ベリーベスト法律事務所「離婚に強い弁護士が教える！離婚慰謝料の相場と高額獲得する方法」<http://best-legal.jp/divorce-alimony-rate-199>を参照。