記事の詳細

1、 女性ですか?男性ですか?

女性

2、現在の年齢はおいくつですか?

68歳です。

3、結婚したのは何歳ですか?

23歳のときです。

4、お子さんは何人いましたか?

いない

5、結婚して何年目に離婚しましたか?

4年目です。

6、 離婚の一番の原因は何でしたか?

夫とは好きで結婚したのですが、嫁という立場がなじめなかったことです。それと、結婚が早く若すぎました。夫は大学生で、結局、大学を中退してしまいました。結婚が本人同士より、日本ではまだ家との結びつきが強く、その影響から逃れるためにも、結婚を止めるしかありませんでした。

7、 どのような離婚形態でしたか?

協議離婚

8、 弁護士さんなど、法律の専門家に相談しましたか?

相談はしませんでした。

9、 あなたの離婚体験談をお願いします。

離婚をした理由は、夫とは好きで毎日一緒にいたいにもかかわらず、結婚という形態でしか親の承諾が取れなかったので、結婚の実態も分からないまま結婚生活に突入してしまったのです。そのため、結婚式もしませんでしたし、新居も夫のアパートに私が同居するような形でした。夫は、まだ大学生だったので若すぎると夫の両親も反対でした。けれど、義理の父の事業が上手く行かなくなり学費も支払えなくなり、そのあたりで両親も反対できない状況だったのです。それで、しぶしぶ結婚を承諾したということですから、私は最初から歓迎されていた嫁ではありませんでした。

そんな結婚でも、結婚すれば途端に嫁的義務が生じます。結婚してしばらくして義理の母が、首の骨が磨耗して手がよく動かなくなり、大学病院で手術をすることになりました。もとより、義理の母は、私の結婚には賛成でもなく、考え方も保守的で合いませんでした。結婚式をしないことが普通でないと思っているらしく、特に、夫の兄の嫁すなわちも義理の姉の実家に顔がたたないように思っているようでした。

そんな状態ですから、最初から嫁と姑の間には亀裂が入っていました。そこに、義理の母の入院でした。義理の姉は妊娠中で、余り多くのことはできません。義理の母は、私にパジャマとかの買い物を依頼したりしました。義理の母の入院直後は、私は自律神経を壊していて通院もしていたにもかかわらず、病院へ通っていました。その間、爪まで切ってあげたりしました。そんなこと、実の親にすらしたことはありません。そのくせ、内科部長が回診に寄ると、私のことを結婚をしているにも関わらず、婚約者のような紹介の仕方をしたのでした。嫁と認めていないくせに、自分の勝手な時は嫁扱いにしたのです。この一件は私にとっても衝撃的なことでした。結婚という行為をしなければ、こんな目に合うこともなかったでしょう。好きな相手と一緒に暮らす方法として結婚したにもかかわらず、結婚自体は非常に世俗的で封建的で理不尽な要求してきました。それは私の許容限度を越えていました。嫁なんかになったつもりはありませんでした。けれど、結婚すると、義理の母とか父とは嫌でも付き合わなければならなりません。その人と相性がよければいいのでしょうが、大方気が合うケースなど少ないでしょう。

ともかく、結婚は、家というものが出てきて、本人の意思と関わりなく進んでいきます。別に結納も貰っていないし、むしろ、実家が持ち出しで私達の生活を支えてくれていました。第1、世間をはばかって、嫁として紹介もできないような嫁に世話になどならなければいいでしょう。それでも、籍が入っている以上義理の母が入院したり、義理の父が病気になったら、放置すれば遺棄罪になってしまいます。様々な事情を乗り越え病院に行く努力をしても、感謝されるどころか当たり前みたいな態度をされると、嫁って何だろうと思ってしまいます。こうしたことから、私は結婚に対して、不審感を抱くようになりました。嫁としての期待をされない唯一の方法は、その籍から抜けるしかありません。離婚すれば、嫁ではないから権利もなくなる代わりに義務もなくなると思いました。

そして、私は27歳の時、協議離婚しました。夫という個人と結婚したはずなのに、いつの間にか得体の知れない嫁というレッテルを貼られていて、その義務まで強要されてくる状態を解消したかったからです。離婚プロセスとしては、全く問題ありませんでした。元より子供もいませんでしたし、私はまだ27歳という若さでしたから働けたし、やりたいことはあふれるほどありました。離婚しても、私も夫も何も変らずむしろ、家というしがらみを離れれば、お互い個人として自由に付き合えます。今更に、なんで結婚なんてしたんだろうと若さの未熟さを痛感しただけでした。

夫は結婚が22歳と若く、結婚したこと自体異常でしたから、お互い結婚という不自由な束縛を断ち切ってホッとしたものでした。当然、若かったためお金もないし、従って慰謝料等ありませんでした。別に私としては謝罪される理由もなく、二人とも嬉々として無一文で離婚をしたのでした。私たちにとって、離婚は進化のプロセスであって、そのことで後悔などしていませんでした。

それでも、結婚をしなければ、その実態も分かりません。実体が分かったため、理解して離婚ができたのですから、結婚も無意味ではありませんでした。結婚に家が絡らむ以上、離婚を実行してややこしい人間関係を断ち切り、夫とだけ付き合うというシンプルな関係になれたことはよかったと思います。結婚が多様化するなか、法律がもっと個々人の希望と意思を反映する形になってくれれば、嫁・姑問題も、もっと開放的なものに変わるのではないかと思うのですが…。

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