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ストーカー事案による相談件数は、ストーカー規制法が成立した平成12年の2,280件から年々右肩上がりになっており、平成27年には4年ぶりに減少したものの21,968件とかなりの件数になっています。

 

ストーカー行為は犯罪行為!ストーカー規制法とは?

ストーカー規制法とは、つきまといやストーカー行為を繰り返す者に警告や逮捕などの必要な措置をとることで、ストーカー被害を受けている方の身体や生命を守るための法律です。この法律は2000年5月に成立し、11月より施行されました。

この法律で規制されているのは「つきまとい等」と「ストーカー行為」です。「つきまとい等」とは、被害者の自宅や学校、勤務先などに押しかける・面会や交際を強要する・何度も電話をかけてくる等の行為を指します。「ストーカー行為」とは、同一の相手に対して「つきまとい等」の行為を執拗に繰り返すことです。ストーカー行為をする者は相手に一方的に恋愛感情を抱いていることが多く、元交際相手や元配偶者が一度別れた相手に復縁を迫るためにストーカー行為をするケースも少なくありません。

この法律が出来る前は、ストーカー行為がある程度エスカレートすれば名誉毀損罪や脅迫罪などで取り締まることができましたが、その前段階では軽犯罪法違反でしか取り締まることができず、与えられる刑罰も拘留や科料のみにとどまっていました。しかし、1999年に埼玉県桶川市で「桶川ストーカー殺人事件」が起きたことを契機に、ストーカー規制法が誕生しました。2013年には、執拗に電子メールを送る行為も規制の対象となり、法的に進化しています。

 

ストーカーされたら、まずはこれをしましょう

ストーカー行為に恐怖を感じて警察に相談しても、はじめから動いてくれるものではありません。相手が元配偶者ともなれば、「単なる夫婦関係のいざこざだろう」と思われてしまう可能性もあります。証拠や事件性があって初めてやっと動くのが警察です。そのため、日頃からストーカー被害に遭っている証拠を蓄積しておくことが非常に重要になります。

相手からのメールや郵便物、自分が相手に送った「別れたい」「付きまとうな」などの意思表示をしたメールは嫌でも保存しておきましょう。また、相手からの無言電話や脅迫電話がしつこいようであれば、電話がかかってきた日時や回数、内容などを記録しておくことで有力な証拠になります。さらに、探偵に依頼するなどしてストーカー行為の現場を動画や静止画で押さえることができれば、さらに有効です。これらのものを物的証拠として警察に提出すれば、警察もストーカー被害に遭っていることを認めて、積極的に動いてくれるようになるでしょう。

その他、家の中で不審に思う点があれば鍵を交換する、業者に頼んで盗聴器が仕掛けられていないか調査してもらう、一人で暗い道を歩かないようにする、常にスマホを持ち歩いていつでも写真を撮れるようにしておく、などの対策が効果的です。

相手と電話やメールでやりとりをするときは、感情を高ぶらせてしまっては相手の思うつぼ。あくまでも冷静に対応することが必要不可欠です。

 

警察と弁護士…どちらに相談するのがいい?

実際にストーカー被害に遭っているのなら、まずは最寄りの警察署や警視庁総合センターで相談しましょう。被害届を出すなどして事件性が認められれば、警察署長の名で相手に警告したり、公安委委員会の名でストーカー行為の禁止命令を下してもらえます。

また、相手が警告や禁止の命令に従わない場合は、禁止命令違反で刑事告訴することも可能です。この場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が課されることになります。被害者に身体や生命の危険が迫っているなど緊急性がある場合は、警告や禁止命令を経ることなく即座に逮捕・起訴して処罰してもらうこともできます。この場合は、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金と禁止命令違反のときよりも罪は軽くなりますが、迅速に事件を収束できるメリットもあります。

しかし、「警察沙汰にしたくない」「警察がなかなか動いてくれない」と思う場合は、法律事務所に出向き、男女問題に強い弁護士やストーカー被害に詳しい弁護士に相談して協力してもらうのも事態を解決するための方法です。

警察へ相談に行くときに弁護士に同伴してもらうことによって、警察署の職員に事の重大性をよりリアルに認識してもらえて、解決に向けて働きかけることができます。また、弁護士の名で内容証明通知書を相手に送ってつきまとい行為等をやめさせたり、加害者が被害者に接近することを禁止するための仮処分を裁判所に申し立てることも可能です。被害者が希望すれば、民事訴訟を提起して慰謝料を請求することもできるでしょう。

ストーカー行為に遭っているときに、「男女関係のことだから」「個人的な恋愛のことだから」と誰かに相談することをためらっていては危険です。一人で悩まないで、一刻も早く警察や弁護士に相談するようにしてください。そうすることで、相手の行為を抑止することができ、精神的・心理的なサポートを受けながら迅速に問題解決することが期待できるでしょう。

 

参考URL

・警視庁「ストーカー規制法」
< http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/higai/dv/kiseho.html>
・シェアしたくなる法律相談所「ストーカー被害に遭った時、あなたがやるべきこと一覧」
< https://lmedia.jp/2014/12/04/58930/>
・防犯レスキュー「ストーカーはここを狙っている ストーカー編③」
< http://www.bouhan-r.com/bouhan/s_ker/s_ker_0003.html>
・LEGAL CHECHER「ストーカーは誰に相談?ストーカー被害から対策・解決まで」
< http://legal-checker.com/keijibengo/higaisha/794#i-7>
・弁護士法人中村国際刑事法律事務所「ストーカー被害に遭っているとき」
< http://www.t-nakamura-law.com/case/case11.html>

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