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「離婚するかどうか、夫婦の話し合いで決着がつかない」「いきなり、配偶者が家を出ていった!」そんな夫婦の危機的な状況にいるある日、突然裁判所から郵便が届くかもしれません。それは配偶者が申し立てた離婚調停の呼び出し状かもしれません。呼び出し状が届いた時、どうすればいいのでしょうか?調停で不利にならないためにどのような準備をしたらいいのでしょうか。

 

離婚調停と呼び出し状って?

夫婦だけで離婚話がまとまらなかった場合、次のステップとして家庭裁判所を介して交渉する「離婚調停」が用意されています。双方が争い裁判官が判決を下す離婚訴訟と違い、調停は話し合いで合意形成を目指します。

  • 離婚調停とは
    離婚調停では、離婚するかどうか、さらに財産分与・慰謝料・親権・養育費などについて、調停委員が中立の立場で意見を聞いて話し合いを導きます。調停委員会は申立人と相手方に対し個別に話を聞くので、双方が顔を合わせることはありません。一般的にはおよそ半年で結論が出るケースが多いです。調停離婚では、調停が成立すると同時に離婚も成立となりますが、市区町村役場にも届け出る必要があります。
  • 離婚調停の呼び出し状
    調停の申し立て先となるのは、原則として相手方(申し立てられる側)の住所地を管轄する家庭裁判所です。住所地とは、住民票に書いてある場所ではなく、実際に住んで生活している場所を指します。
    配偶者に離婚調停を申し立てられたら、数日後に裁判所から呼び出し状が届きます。一般的な郵便物と同じように郵便受けに届くので、うっかり見落とさないよう注意が必要です。申し立てられた側には、第1回調停期日や事件番号を知らせる書面のほか、申し立て人である配偶者が書いた申立書や、申し立てを受けて自分の意見を述べる答弁書の雛形も同封されて届きます。

 

呼び出し状が届いたらどうすればいいの?欠席はできる?

では配偶者が調停を申し立てて、呼び出し状が届いたら、まず何をすればいいのでしょうか?また、調停は欠席できるのでしょうか?

  • 呼び出し状が届いたらまずやること
    答弁書は第1回調停までに提出する必要があります。まずは申立書を読んで、申し立ての動機や、配偶者が望む婚姻費用分担、親権者、面会交流の条件などを確認し、それに対する自分の主張を答弁書にするのです。申立人の主張する事実で間違っている部分があれば指摘しておきます。
  • 調停は欠席すれば不成立だが…
    極論ですが、あなたが離婚したくないと考えて調停に一度も出頭しなければ、調停は不成立となり一旦は離婚を回避できます。しかし、相手がどうしても離婚を譲らない姿勢なら、調停後に審判や離婚訴訟に発展する可能性も残っています。特に離婚訴訟で提訴されれば、弁護士に代理人を依頼するため費用がかさんだり、精神的な負担も長引くでしょう。裁判は欠席すれば自分にとって不利な判決が下されてしまうので、調停のように無視するわけにもいきません。
  • 指定された期日に出席できない場合
    離婚調停の期日は平日の日中に設定されます。もし指定された期日に抜けられない仕事などがあり出席できない場合は、事前に期日変更の申し立てを行いましょう。調停は、1回程度の欠席できちんと事前に連絡していれば、話し合いの内容に悪い影響は与えません。しかし無断で欠席したり、何度もすっぽかすようでは、調停委員に「自分勝手で話し合う姿勢がない」「(未成年の子どもがいる場合は)親としての責任感に欠ける」といった悪い印象を与え不利な結論を招いてしまいます。また、理由なく離婚調停を欠席すると過料(金銭の制裁)が課される場合もあります。

 

離婚調停までにするべき準備は3つ

第1回の期日に出席する前に行っておくべき準備は3つあります。

  • 相手が離婚を望む原因と改善策を考える
    まず、夫婦の話し合いや配偶者が書いた申し立て書を振り返って、相手が離婚を望む原因を明確にします。性格が合わない、浮気や不倫、家庭をかえりみない、浪費するなど、さまざまな原因が複合している場合もあるでしょう。離婚したくないなら、その原因に対して自分がどのような改善策がとれるかを考えます。
  • 陳述書を用意する
    調停の場では自分の意見を述べる時間は限られています。また、緊張や混乱のせいで思ったことをうまく伝えらえないこともあるでしょう。このため、自分の意見をまとめた陳述書を作成すると効果的です。陳述書には、自分と相手の経歴、問題が起こるまでの結婚生活、問題のきっかけ、その後の経緯、離婚したくない理由、改善策などを書きます。文章を書くのが苦手でどのような内容を書けば効果的か知りたい方は、弁護士の法律相談で聞いてみるのもおすすめです。
  • 調停に出る際の身なりに気をつける
    第一印象は相手の人となりを判断する大きな要素です。調停に出る際の服装や見た目は、調停委員に与える印象を左右します。提出した書面ではどんなに素晴らしいことを書いていても、見た目の印象と食い違っていれば、常識を疑われたり信頼感を持ってもらえません。就職活動の面接のようにスーツを着る必要はありませんが、清潔感があり失礼のない身なりを心がけましょう。また、高級ブランド品を身につけていると、金銭面の主張の説得力がなくなる可能性もあるので、避けたほうが無難です。

離婚調停の呼び出し状が届いたら、答弁書や陳述書を作成したり、期日に出頭できるよう仕事のスケジュールを調整するなど、さまざまな準備が必要です。「離婚を回避したい」「少しでも有利な条件で決着したい」という人はしっかり対策をしてから調停に臨みましょう。

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