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離婚に相手が応じない!そんな時はどうすればいいのか徹底解説
自分が離婚したいと思っていても、相手がすんなり応じてくれない可能性もあります。そのような場合にはどうしたらいいのでしょうか。この記事では、相手が離婚に応じてくれないときにするべきことや対策についてお伝えしていきます。
なぜ離婚してくれないの?しっかり話し合いましょう
お互いに惹かれ合って結婚しても、何らかの理由から離婚を考えることがあります。しかし、自分が離婚したいと思ったからと言って相手が応じてくれるとは限りません。そんなときは、まず自分が離婚したい原因をしっかり相手に伝え、話し合うことが大切です。夫または妻の中には、相手がどうして離婚したいのか本当にわかっていない人もいます。夫婦関係がうまくいっていないことに気づいてはいても、今の生活を壊したくはない、いつかまた前のように仲の良い関係に戻れると思っている人もいるでしょう。毎日同じ屋根の下で暮らしていても、相手の頭の中のことはなかなかわからないものです。離婚したければ、まずは自分の気持ちを相手にはっきりと話すようにしましょう。夫婦間の話し合いで離婚するのが協議離婚です。協議離婚は余計なお金や時間をかけずに一番手っ取り早く離婚できる方法です。
どうしても離婚したい場合は離婚調停へ
しかし、話し合いで離婚がまとまればいいのですが、そう簡単にはいかないケースも多いです。相手が応じないけれど、どうしても離婚したい場合は、家庭裁判所が夫婦の間に入って話し合いを進める「離婚調停」を申し立てることになります。離婚調停は、離婚するかどうかをはじめ、慰謝料や子供がいる場合の養育費等さまざまな条件について話し合う手続です。正式には「夫婦関係調整調停」と言い、円満を目指す場合と離婚を目指す場合に分かれます。
離婚を希望する場合には、離婚調停と同時に「婚姻費用の分担請求調停」を申し立てることができます。婚姻費用の分担請求調停とは、別居している夫婦や子供の生活費を夫婦間で分担するための調停です。別居してから生活費をもらっていない場合や相手よりも収入が少ない場合、離婚まで時間がかかりそうな場合には申立を検討すると良いでしょう。
離婚調停では、第三者である調停委員を交えて話し合いを進めていきます。この際に調停委員が味方についてくれれば、相手を説得してもらえる可能性が高くなるでしょう。自分が離婚したいと思うに至った経緯や理由、そして意志の固さをはっきり伝え、調停委員の共感を得るようにしてください。
離婚調停の申立は自分で行うこともできますし、弁護士に依頼することも可能です。申立に必要な費用は収入印紙1200円分と郵便切手代、裁判所に出向く際の交通費です。それ程費用もかからないため、離婚したい気持ちをしっかり調停委員に伝えることができるなら弁護士を通さず自分で申立をしても良いでしょう。
それでも話がまとまらない場合は裁判離婚へ
離婚の意志が固いことを伝え、調停委員が夫や妻を説得してくれたとしても、相手が応じるとは限りません。離婚調停で話がまとまらず調停不成立となった場合には、裁判離婚へと移行することになります。裁判離婚では、夫や妻が離婚に応じないときでも裁判所が認めれば離婚をすることができます。
ただし、裁判所が離婚判決を下すには、民法で定められた明確な離婚理由が必要です。以下に記載しますので、当てはまっているかチェックしてみてください。
・配偶者に不貞行為があったとき
・配偶者に悪意で遺棄されたとき
・配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
・配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
・その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
上記のうちのひとつにでも該当していることを裁判所が認めれば、離婚判決が下されます。しかし、逆に考えるとこの5つの離婚理由に当てはまらない場合には、離婚が認められないということにもなります。
離婚の動機に「性格の不一致」が挙げる人も多いですが、この理由では、夫婦関係の修復が見込めると判断され、離婚を認めてもらえない場合もあります。ただし、愛情の喪失により夫婦生活が破綻して元のような円満な関係に修復される見込みがないことが認められれば離婚の判決が下される可能性が出てきます。離婚判決をもらうには、夫婦間の深刻な状態を証明する具体的な主張をすることが大切です。
調停とは違い、裁判は素人には難しいため弁護士に依頼するケースがほとんどです。弁護士費用は着手金や成功報酬などを合わせて100万円はみておいた方が良いでしょう。判決までの期間は早くて1年、長期化した場合には2年以上を要する場合もあります。
なるべく早く離婚判決が出るように、離婚訴訟の経験が豊富な弁護士に相談しながら、説得力のある主張を考えたり、夫または妻が離婚に応じない理由を想像してみてください。相手の気持ちを汲み取り、それに応じた対策をとることで、意外とあっさり離婚が進むケースもあります。
離婚したいと夫または妻に伝えたときに、相手がとる反応はそれぞれです。話し合いで離婚がまとまる場合もあれば、裁判離婚に発展して長い間戦うケースもあります。しかし、どんな場合にも大切なのは、自分の意志をはっきり伝えることと相手の考えをよく理解することかもしれません。最後まで諦めず、今までとは違う明るい未来を手に入れましょう。