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配偶者が蒸発して家を出ていったままずっと音信不通。これからの人生をやり直すため離婚したいけれど連絡が取れない・・・。という場合はどうしたらよいのでしょうか。
離婚が成立する条件や離婚までの具体的な方法について、詳しくみていきましょう。

 

相手が音信不通でも離婚できる?

離婚は夫婦がお互い話し合って離婚をする協議離婚と、調停を申し立てる調停離婚、訴訟を起こす裁判離婚があります。

  • まずは離婚調停の申し立て
    相手が音信不通の場合、話し合いで協議離婚をするのは不可能ですので、別居状態でも所在がわかっている場合は裁判所に離婚調停を申立てます。
    申立てから約2週間で第一回目の調停期日が記載された呼出状が双方の住所に届き、調停での話し合いとなります。
  • 所在不明の場合は離婚訴訟の提起
    調停に相手が出頭せずに不調に終わった場合や、相手の所在がわからない場合、離婚訴訟を提起し裁判による離婚の手続きを進めることになります。
    相手側の住居や会社もわからなく訴状を送ることができない場合、裁判所の掲示板に呼出状を貼ることにより、公示送達として訴状を送ったことになります。

相手からなんの返答もなく、裁判期日にも欠席した場合、すぐに結審することはありませんが、証拠書類等の取り調べの後、判決が下されることになります。

 頭を押さえて俯いている女性

音信不通は離婚成立の条件になるの?

  • 離婚成立の条件
    法律において離婚成立の原因には下記の5つがあります。

1. 不貞行為
夫婦のどちらかが配偶者以外の人と性的関係を結ぶことであり、すなわち浮気や不倫です。

2. 悪意の遺棄
夫婦は同居し一緒に生活することでお互いが協力し合う義務がありますが、一方がその義務を怠りその状態を放置することを「悪意の遺棄」と言います。

具体的には、「家を出て行ったまま帰って来ない」「家にいるけど働かない」「給料をギャンブルに使い生活費を渡さない」などの事例があります。

3. 3年以上の生死不明
配偶者が失踪し、3年以上、行方不明で生死が不明である場合は離婚が認められます。
住所はわからないけれど生存している、という状態では認められません。

4. 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがない
配偶者の精神障害が強度で、婚姻生活を継続していくことが困難であると判断される場合です。

5. 婚姻関係を継続しがたい重大な事由
夫婦関係が破綻していて関係修復が難しい事由がある場合です。
配偶者からの身体的・精神的暴力やセックスレス、夫が留置場に入っており家庭生活が困難、など幅広い事例があります。

離婚理由として多い「性格の不一致」だけでは法的な離婚原因として認められませんが、それ以外にも原因がある場合、また別居期間が長く復縁が困難である場合などは認められる可能性があります。

 

  • 音信不通の法的な原因は
    音信不通の内容によって離婚成立の原因は異なってきます

・3年以上の生死不明
相手が家を出てから、または最後の音信消息後3年間いっさい連絡がつかず、所在や勤務先も不明、親族にきいても誰もわからないという場合

・悪意の遺棄
所在はわかるけれど生活費や子どもの養育費を全く送ってこない、配偶者や子どもを残して家を出て行き所在がわからない場合

・婚姻関係を継続しがたい重大な事由
理由もなく家を出て行き、連絡はつくが相手に家に戻る意思が全くない場合

 

音信不通の相手と離婚するためにするべきこと

相手が行方不明で連絡がつかない場合、調停をせずに離婚訴訟を起こすことができます。
ただし裁判で正式に離婚を認めてもらうには、正当性のある明確な証拠書類や音信不通を証明する為、行方不明の調査をした記録などが必要です。
また財産分与や慰謝料なども含め離婚を請求するのであれば、弁護士に相談し確実に準備することをおすすめします。

  • 音信不通期間が3年未満の場合
    「3年以上の生死不明」にはあたらなくても、今後の人生のために早く離婚したいと考えることもあるでしょう。音信普通の原因が「悪意の遺棄」や「婚姻関係を継続しがたい重大な事由」に該当する場合、3年を待たずに離婚請求ができます。
    理由なく家を出て行方不明の場合、同居義務違反で「悪意の遺棄」として判断されます。状況により、「婚姻関係を継続しがたい重大な事由」にもあたります。
    行方不明を証明するには、警察に捜索願いを出し「捜索願受理証明」をもらう、相手の勤務先に「陳述書」を送る、親戚に所在を確認するなど行方調査をした記録を残します。
    所在はわかっている場合、いつから別居しているか、生活費が通帳などの記録を残すことにより、離婚裁判時に「悪意の遺棄」として慰謝料を請求することも可能です。
  • 相手が3年以上生死不明の場合
    失踪後、警察へ捜索願いを出し、3年経過すれば生死不明と判断し離婚裁判を提起することができます。離婚が認められれば、財産分与の請求も可能になります。
    また3年以上の生死不明により離婚の判決が確定すれば、その後相手が現れても判決が無効になることはありません。
  • 失踪宣告制度の利用も
    生死不明の状態が7年以上続いた場合、裁判所に失踪宣言の申し立てをすることにより失踪宣告が出され、配偶者は死んだとみなされ婚姻関係が終了します。
    離婚のように慰謝料や財産分与は発生しませんが、遺産相続の必要性がある時などに利用されます。

いかがでしたか。相手が音信不通の場合、複雑な事情が様々にからんでくるため、離婚原因や離婚までのプロセスは個々の事象により異なってくるでしょう。
弁護士と相談し、どのような方法を選択するのが有利かしっかりと決めた上で離婚準備に臨みましょう。

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